特定の人々とファイルのやり取りをすることがこれまでもよくあるのですが、大半は Gmail で済ませて乗り切れていました。
ところが、ここ最近、デジカメの解像度が上がり、特に動画ソースのやり取りをする際は、そうは簡単にいかないケースが出てきました。25MB 超えのファイルが普通にに出てきたからです。
10年前なら、DVD-R にして郵送する方法もあり得るのかもしれませんが、数ギガ程度のファイルのやり取りで、今時そのような原始的な手段をとる気にはなれま3せん。数ギガのアプリでも、今はダウンロード販売が普通なご時世です。
ごく少人数(3名程度)なら自宅にサーバーをたててファイル交換という方法もあるかと思うのですが、電気代の高騰、管理の手間などを含め、できる限り低コストで何とかしようといろいろ物色していました。
最終的に、私が現在も使用している方法は以下の二つです。
ファイル転送(交換・共有)という目的では、Dropbox と AD FILE、どちらでも実現可能です。しかし、この2つのサービスは、その意図するところが少し違います。Dropbox はあくまで自分自身がスマホを含む複数台のデバイスとデータのやり取り、共有をするためのツールで他者とのファイルのやり取りはオマケ、AD FILE は自分以外の他者と積極的にファイルのやり取りをするためのツールという感じです。
Dropbox で特定のフォルダを共有して限定公開する方法はよくやる方法です。特に何も考えずに比較的に安全に共有できます。
ただし、間違って公開したくないフォルダを共有してしまったり作業ミスの恐怖感は付きまといます。
そして、共有したファイルを間違いなくダウンロードしてくれたかどうかの確認もあいまいです。
数名以上とファイル共有・交換するときに求める性能(あればよい機能)は以下の通り
- 低価格で運用できる
- 安全にファイルが届く
- 削除期限の設定ができる
- 履歴の確認ができる
- 送りたいファイルをダウンロードしてくれたかどうかの確認
- ダウンロードしてもらう相手に煩わしい広告を見せない
- ダウンロード時にファイル提供者側からのアピールができる
Dropbox Plus | AD FILE | |
---|---|---|
低価格で運用できる | 1,200円/月 | 1,078円/月 |
安全にファイルが届く | ◎ | ◎ |
大容量ファイルを転送 | 2GBまで | |
削除(有効)期限の設定ができる | 〇 | ◎ |
履歴の確認ができる | ◎ | ◎ |
送りたいファイルをダウンロードしてくれたかどうかの確認 | 〇 | ◎ |
ダウンロードしてもらう相手に煩わしい広告を見せない | 〇 | 〇 |
ダウンロード時にファイル提供者側からのアピールができる | 近日対応 | ◎ |
ストレージ容量 | 2,000GB | 100GB |
一度の送信可能サイズ | 2-50GB | 20GB |
DL時に自社ロゴの表示 | 〇 | ◎ |
DL時の背景をカスタマイズ | × | ◎ |
無料電子署名依頼 | 3回/月 | |
外国語対応 | ◎ | 日本語のみ |
月次サマリー | × | ◎ |
削除ファイルの復元 | ◎ | × |
スマホ対応 | ◎ | 対応予定 |
専用アプリ | ◎ | 未定 |
サービス継続期待 | ◎ | 〇 |
Dropbox は定番
これまでもいくつものストレージサービスが現れては消えという感じでしたが、Google Drive 、iCloud 、Amazon Drive、OneDrive(マイクロソフト)とビッグに劣らず、末永く生き残っているのが Dropbox です。使い勝手もよく、安く契約する方法があるので使いやすいです。2GB 程度のストレージならフリーで使えますが、まともに使うには有償契約する必要があります。
上の表の月額料金は公式サイトの価格ですが、ソースネクスト経由で3年分まとめて購入すると、月額料金はこれよりずっと下がります。アクセスパスワードは共有しているものの、ほぼ不特定の人とフォルダを共有する際、間違ってほかのフォルダを指定しまわないか(自己ミス)などの不安はあるものの、実績と安定性が売りの Dorpbox です。老若男女を問わず、無料版でも問題ないので、使ってみるといいと思います。
「Dropbox の無料アカウント作成(無料500MB追加招待)」
ビジネス絡みなら AD FILE を選ぶ
AD FILE は有料使用が前提ですので(ただし1か月間の無料お試し期間あり)、無料で使い続けることはできません。その分、さすがにインターフェイス、デザインともにすぐれています。
前述の表では Dropbox より月額料金が低く見えるのですが、長期契約の割引がないため、まともに月額1,078円を払う必要があるのが「AD FILE」 です。単純に上の表で見ると、AD FILE がイケてない感じ*がすると思いますが、公式ページをご覧いただくと、このサービスがかなりカッコイイことがわかると思います。
表を作成しておいて、矛盾するようなことをいうようですが、ビジネス目的だと、企業・会社は当然、個人事業主には特に AD FILE の方がオススメです。理由は Dropbox では今のところ出来ない顧客に見せるダウンロードページのカスタマイズが簡単にできる点です。
具体的には、顧客に飛んでもらうダウンロードリンク先に会社のロゴや背景画像をカスタマイズできます。逆を言えば、「このファイルは〇〇のサービスを利用してダウンロードを提供しています」みたいな広告・宣伝が一切つきません。顧客としては、一時的にファイルの保管先のサーバーに遷移した程度の感覚で、顧客の注意を冷まさずに注目してもらえます。
この点は、マーケ的にも手を抜きがちですので、今までなおざりの方は留意しましょう。
AD FILE のできない点を抑えておく
AD FILE と Dorpbox は別の種類のサービスと言えなくもないのですが、同じような目的で使えるのであえて比較しています。本来なら firestorage と比較すべきですが、送信可能ファイルサイズが有料ライト会員で5GBまでと、AD FILEと比べて見劣りするので省いています。次回以降、もうすこし真面目に比較してみます。
AD FILE の気になる点は、日本語ユーザーにだけ対応している点です。今後は英語ぐらいは対応するかと思いますが、海外の人とのやり取りの際は、この点は抑えておきましょう(その際は、今のところDorpbox か firestorage で対応してください。どちらも無料プランがあります)。
さらに利用法を深堀り
自営業者、クリニック、士業の方で見積書・領収書は後から PDF で送りますなんてことをやることがある、やったことがあるかもしれませんが、少し注意が必要です。
メールで送る場合は、ファイルサイズが大きくなりがちなので嫌がられることがあるのと、小規模の場合、そもそもメールに一人ずつ添付する作業が手間です。かといって、自動添付するための専用の API を開発したり購入するのもコストに合わないと思います。
特に厄介なのは、一度間違って送信してしまうと取り返しがつかないというリスクです。重要な個人情報込みの PDF などだけでなく、サンプル高画像写真や動画などをメールで添付して、間違っていましたとなれば、相手の負担を考えれば迷惑千万です。
そこで、メールで送らず顧客に直接ダウンロードしてもらうには、アクセスパスワードをつけてダウンロード先の URL をメールか SNS かで知らせるという方法にたどり着きます。
この場合は、もしファイル内容に不足があれば、元のアップロード先のファイルを変更・書き換えるだけで対応できます。図はAD FILEの例ですが、Dropboxの場合は自分のPC内の共有フォルダにあるファイルを書き換えると、シンクロされるという構造になります。
使い勝手としては、好みの問題はさておき、ビジネス利用の場合はAD FILEのようなファイルマネージャーを使うタイプの方が、利用期限の管理、ダウンロード回数の管理等を考えると、複数人・部署で管理しやすいかもしれません。
顧客のダウロード時に、顧客に自社以外の広告を見せてしまうと恐ろしく信頼度が失われるという事実を覚えておきましょう。例えば、そこでライバル他社の広告が効果的になされるということがあります。
この部分は、少しばかり出費しても広告は無い方が良いところです。
逆に、この部分に自社の新製品・イベント・活動報告を載せると、宣伝効果が上がります。これは YouTuber が自分の宣伝をする際も同じです。サンプル・プロモーション動画を配布する際に、自分と関係ない宣伝をこの場で行われると、どうなるかわかると思います。
Dropbox のファイル共有は内輪で使う分には何の問題もありませんが、自分や自社をアピールする目的の場合は少しパンチが弱いです。firestorage も AD FILE も有料プランであればデザインのカスタマイズが可能ですが、現在のところ AD FILE の方がデザインとしてはまとまっているように思います(firestorage は firestorage のロゴが強く残ってしまいます)。
つまり、ダウンロードページのカスタマイズは、思いのほか重要だということです。上に該当する方は、この部分だけで有料利用は覚悟する必要があります。カスタマイズで自分のウェブサイトの一部のページのような印象で利用してもらえます。
月額 1,078円程度なら、ビジネスが絡むと決して高くはないので問題ないと思うのですが、個人利用や同好会・サークルでの利用だと微妙ですね。現在の円安だと、海外のサービスは安いというわけではないので、日本の会社に期待したいところです。AD FILE は無料で使い続けることはできないのはいいとしても、年間プランなどの月額1,000円を切る同レベルサービスを作ってもらいたいところです。
安く旅すること、デジタルモノを安く手に入れること、そして安くても使いこなすことをモットーにブログを書いています。典型的なデフレ対応型なんだなと自覚しつつ、日夜物欲と対峙し断捨離を心がけるも、うまくいかない毎日であります。