年賀状ソフトを比較する
年賀状ソフトというと、はがきに印刷するアレでしょ?と頭に思い浮かびますが、実際のところ「リアル住所録管理ソフト」という意味合いが強いです。
住所録管理機能そのものは、各社、枯れているほど作りこまれています。いざというときのために、CSV書き出しでExcelエクスポート機能さえあれば、最終的にはどうにでもなります。
数ある年賀状ソフトのなかで、毎年更新されて、ある程度の販売数があり、信頼されているソフトは「筆王」「筆まめ」「筆ぐるめ」「宛名職人」が有名どころです。入所が容易なこれらを、独断と偏見を交えて比較します。
結論は
です。私の独断と偏見ですが、多くの人がよく似た結論になっているようです。
Windows ユーザーで初めてのはがき印刷ソフト(年賀状ソフト)でないなら「筆まめ」がおススメです。
すでに持っている、去年使ったなど重複するなら、「筆王」、「筆ぐるめ」を選ぶのは大ありです。
おすすめは「筆まめ」、その理由
「筆王」と「筆まめ」、どちらも捨てがたいのですが、同様のソフトの同年版を二つ購入するのは気が引けます。必然的に、今年はどちらかを選ぶことになりますが、私は「筆まめ」を推します。
理由は、収録デザインと例文が、比較するとプロっぽいからです。
趣味レベルの誤差の範囲かもしれませんが、収録デザイン・イラストに関しては、過去のバージョンを遡っても「筆まめ」の方がプロっぽい感じです。
漠然とした説明をしても、イマイチわからないと思うので、無理やりこじつけてみる、
筆まめは幅広い年代層をカバーしたイラスト集でおとなしさがある、筆王は若者世代の気を引くデザイン集でメリハリがある、そして両方ともわざとらしくならないようなデザインを収録したという印象です。
例えば、引退された先輩に出すハガキとしては、おとなしさがある「筆まめ」からイラストを選んだ方が、印象良い方向に受け取られると思います。
逆に、先輩から後輩に出すようなハガキなら、メリハリのある「筆王」の方にしゃれたデザインが見つかるかもしれません。
価格も、定価ベースでみると5,000円以上の時もありますが、ソースネクスト社がよく行うキャンペーンを利用すれば、4,000円切りで購入できるので、割高感はありません。
というより、「筆王」や「筆ぐるめ」、「楽々はがき」、「はがきスタジオ」、「宛名職人」、「筆休め」や「筆自慢」といった、はがき作成ソフトを持っている方(もちろん過去のバージョンで大丈夫)は、「アップグレード・乗換版 筆まめ」という都合のいいパッケージがありますのでこちらを選ぶと、2,980円(税抜き)で購入できます。つまり、「筆王」と比べて大差ない値段で買えてしまうという、トリッキーな得々バイができます。
なお、乗り換え資格はかなりユルくて、富士通などのパソコンにプレインストールされたものや、雑誌などの付録で入手したものでも大丈夫です。ただし、体験版は対象外ですので注意してください。
コスパの中身を分析すると
原則、価格の安いダウンロード版を購入することが前提です。
かつては DVD 版を購入して、中身のデータだけを永久保存するみたいなことがありましたが、すぐにデザインは古くなり、アップデーターも頻繁に公開される現在では、あまりそういう方法に意味はなさそうです。
価格を比べると、筆まめが少し高いのですが、「収録素材数」と「収録例文数」が一番多いだけでなく、その素材のクオリティも上々です(実用的なデザインが多いということ)。また、「アップグレード・乗換版 筆まめ」の対象者は、2,980円(税抜き)で購入できるので、割高でもなんでもありません。
筆まめ以外の素材集も、確実に使える素材は収録されているとはいえ、500素材ほどチェックしてみて、実際に使えそうなものは数パーセントという感じでした。
私の感覚で、筆まめの場合は、数パーセント以上が普通に使える素材、少し加工(サイズ変更と色合い調整程度)すれば一割強の素材がほぼそのままで使えそうです。
しかも「宛名面」の加工ができ、「セブンイレブン印刷」に対応しています。
宛名面のちょっとした加工ができるだけで、相手に失礼にならないようにレイアウトをまとめることや、宛名面だけで中身を表現しきることができますので、重宝します。
セブンイレブン印刷は、クラウド経由でセブンイレブンに設置されたプリンタで印刷する方法ですが、旅先でもプリントアウトできることを考えるととても便利です。
今では、自前のプリンタを所有しない人も多いので、重宝する人は多いはずです。
個人的には、プリンタのない出先では、セブンイレブン印刷はよく使います。
ただ、年賀状の印刷品質に関しては現状はイマイチな感じです。
セブンイレブンのプリンタは、店舗によっても品質が違うので、ハズレ店舗対策として、モノクロ画質を利用するという手もあります。
筆王 | 筆まめ | 筆ぐるめ | 宛名職人 2021 Premium | 宛名職人 Ver.27 |
|
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ダウンロード版価格 | 2,680円(税抜) | 4,680円 | 4,389円 | 2,180 | 5,980円 |
パッケージ版価格 | 3,900円(税抜) | 5,480円 | 4,389円 | 無 | 無 |
乗換価格 | 2,980円 | ||||
自動継続価格 | 917円(税抜) | 1,555円(税抜) | |||
ライセンス台数 | 5台 | 5台 | 5台 | 5台 | |
収録素材数 | 30万点 | 45万点 | 2万5,000点 (ダウンロード コンテンツ含む) | 15万点 | |
収録例文数 | 1,511 | 2,724 | 2,000 | ||
収録フォント数 | 155書体 | 155書体 | 152書体 17書体(年賀状) | 155書体 | 155書体 |
宛名面にデザイン加工 | できない | 対応 | できない | できない | できない |
セブンイレブン印刷 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | |
ネット印刷 | 対応 | 対応 筆まめネットプリント | |||
画像加工・写真編集 | 高機能 | 普通 | 普通 | ||
電話サポート | 無料 | 有料 | 無料 | 無料 | 無料 |
操作性 | 普通 | 良好 | 良好 | 良好 | 良好 |
ガイドムービー | あり | ||||
公式サイト | こちら | こちら | こちら | こちら | こちら |
年賀状ソフトとしてみた場合の、純粋な価値はどうか?
取り上げる年賀状ソフトの編集機能は、一年単位のバージョンアップ前後で比較すると、大きく変わるところはあまりありません。それくらい安定してバージョンアップしてきているという意味でもありますが、逆に買い替えたところで大して機能は増えないということも言えます。
でも、バージョンアップする値打ちはあります。年賀状ソフトのその販売戦略上、「来年の干支デザイン」はたっぷり収録しますが、それ以外の年のデザインは適当に数合わせ程度にしか収録していません。
つまり、去年の(旧版の)年賀状ソフトで、来年の年賀状を作成しようとして、収録デザインをそのまま使うケースでは、必然的に「ダサくなり、手抜き感」がでます。
さっさと年賀状を作成し、しかも手抜き感が出ないようにするには、年賀状ソフトを最新版にするのがコスト的にも時間的にも有利です。
逆に、年賀状ソフトをただの住所録、住所印刷ソフトとして利用する場合は、年賀状ソフトそのものは数バージョン昔のものでも使えます。特に、住所をシールに印刷してはがきに貼り付けるような場合は、バージョンアップする意味はあまりありません。
住所印刷ソフトとしてみた場合の、純粋な価値はどうか?
年賀状ソフトを住所管理、住所印刷ソフトとしてみた場合は、エクセルで住所管理するより優れているのかどうかという点が気になるはずです。
結論を言えば、どのソフトもエクセルで管理するより優れています。エクセルは表計算シートですが、年賀状ソフトを住所管理はどれもデータベース管理ですので、検索機能等を含めて使い勝手の面でも優秀です。
(数万人のデータを年賀状ソフトで管理するとなると、実は大変だったりするのですが、1,000人程度の管理なら、年賀状ソフトに軍配が上がります。)
年賀状にデザイン画と宛名と差出人だけ書いて、郵便ポストに投函する程度のことなら、受けとった側も「ソフト使ってうまく作ったな」と感じる程度の出来栄えで終わりです。
しかし、多くの年賀状ソフトの住所録には、家族構成やメモの項が儲けられており、付属なデータを入力することができます。
例えば、先輩夫婦に子供がいて、来年小学校に入学するなどの情報が整理させて入力されていたら、「〇〇くん、四月から小学生ですね!」と一言添えていたら、受け取る側の印象は全く違ったものになります。
特に、30代以下のフレッシュマンが、40代以降の先輩世代にハガキするときは、クリティカルヒット率が上がり、「目をかけられる」可能性が大幅アップします(独断ですが間違いないと思います)。
エクセル管理では見逃しがちな処世術エッセンスが込められているのが、年賀状ソフトをわざわざ使うコツです。
ここで取り上げているソフト(10年以上の実績あり)は、新種なものがないので継続的にアップデートが期待できますので、安心して使えます。
住所印刷ソフト目的なら、バージョンアップ不要は正しい?
原則、住所印刷ソフトとして使うだけなので、バージョンアップ代金として3,000円ほどの金額を投入する値打ちがあるかどうかがポイントです。
多くの人は、数バージョン前のものでも問題ないと思います。
ただし、次の場合はバージョンアップを検討しましょう。
- 行政区画の住所変更が、旧版では対応できていない場合
- はがきのデザイン面に、住所などを印刷する場合
年賀状ソフト・デザイン集としてみた場合の、純粋な価値を考える
干支のデザイン集として年賀状ソフトを見た場合、やはり最新版をゲットするのがおススメです。
それは、最新版のファッション雑誌を参考にせずに、美容院や理髪店に残っている一年前の時代遅れの雑誌を参考にするようなものだからです。
特に、今年のコロナ関連デザイン画は最新版ゆえのメリットだといえます。
ソフト別特徴を検証
筆まめ
使えるデザイン、特に和風のデザインが充実しているのが本ソフトの特徴です。
特徴的なのは、宛名面のデザインが「宛名デコ」でしっかり行える点です。
他のソフトにはこの機能はありませんので、必要な方は洗濯の余地がありませんね。
さらに、コンビニプリントを使う可能性のある方も、やはり本ソフトがおススメです。
筆王
「筆王」は筆まめに、付属素材数では負けますが、その分価格も安くなっています。素材はうまく分類されていて、使い勝手はいいです。
和文フォントも155書体付属していて、基本的な部分は何一つ妥協ありません。
画像編集も行いやすく、背景を消すような作業はど素人でもできるほど簡単です。
ただし、消しすぎてしまって白々しくなることも多いので、Photoshop に代表される画像編集ソフトがある人は、不要かもしれません。
「筆王」も筆まめ同様に、セブンイレブン印刷に対応しています(過去の記事で未対応と書いたかもしれませんが、間違いです、申し訳ありません)。
個人的に筆王を買うなら「手書き三変化」のツールに注目です。この点だけは手のソフトにはまだ搭載されていないので、気に入れば筆王を選ぶと満足できます。
タイピングするだけ「手書き風ツール」
タイピングして、手書き文字を作り出すツールです。
正真正銘の手書き「書道ツール」
マウス操作で本格的な書道ができるツールです。
自分の字をフォントに「まるで手書き for 筆王」
自分の手書き文字をスキャンしてオリジナルのフォントが作れるソフトです。
筆ぐるめ
「筆ぐるめ」はインターフェイスのデザインが洒落ていて、初心者に優しい操作性が売りです。
ただ、上で紹介した「筆まめ」や「筆王」に比べて機能が少なく、微調整などは苦手です。そのため、素材集の画像を加工するにも素人っぽくなってしまい、雑に言えばプリクラ品質になりがちです。
ただ、自前で画像編集ソフトを併用すれば何とかなることも多いです。
基本的には、細かいことにこだわらず、さっさと年賀状を仕上げたい人にはオススメできます。
セブン-イレブン店頭のマルチコピー機で、作成したレイアウトを365日いつでもプリントできるので、年賀状そのものを、シンプルかつ素早く仕上げるという目的においてはベストですね。
宛名職人
「宛名職人」は上の中で、唯一Mac版がリースされている年賀状ソフトです。
Windows 版の「宛名職人 2021 Premium」は値段も安く、手を出しやすくなってます。
個人的には、2,000円強の価格の割には、素材デザインなども良品質に感じます。
Mac版の「宛名職人 Ver.27」は、基本的にMacユーザーが年賀状ソフトを選ぶなら、これぐらいしか選択肢はありません。
そのため、価格設定も強気の5,980円(税抜)です。
セブンイレブンのマルチコピー機で年賀状印刷できるなど、ポイントは抑えられています。
安く旅すること、デジタルモノを安く手に入れること、そして安くても使いこなすことをモットーにブログを書いています。典型的なデフレ対応型なんだなと自覚しつつ、日夜物欲と対峙し断捨離を心がけるも、うまくいかない毎日であります。