コロナで引きこもりがちのとき、私の密かな楽しみは明太子料理でした。基本、お茶漬けから、パスタ、お酒のつまみに至るまで明太子は私のソウルフードです。数年前まで回転ずし屋の明太子とスーパーの安物の明太子ぐらいしか食べていなかったのですが、北海道旅行した際にお土産で手に入れた明太子にハマり、手軽に買える通販を地道に何店か物色していました。
現在のところ、「島本の明太子」が一番、入手しやすくお得であると判断します。
明太子の質を簡単に見分けるセルフチェック
以下の項目に当てはまれば、その明太子の質はよいと判断できます。
- 色が毒々しくない
- 口の中で魚卵の味が感じられる
- 明太子の皮が薄くて食べやすい
- 明太子の粒がきめ細かい
私もよく買う、安く手に入る多くの明太子はゴツゴツしていて、調味料をかけて、ごはんやお茶漬けで食べています。ただ、血圧を考えれば塩分などを控えた方がよいので、味をごまかす食べ方は最低限に抑えた方が良いようです。
スーパーや回転ずしの特選メニューでそのような明太子が手に入ればお手軽ですが、ありません。新鮮で質の良い明太子は口の中で粒粒のままとろけますが、質の悪いものはパサパサ感が残ります。
「島本食品」の明太子は、上の条件をすべて満たしていて、通販で買えますので、良質な明太子を試してみたい方は、要チェックです。
島本の食品は、アマゾンや楽天などに出品していないため、実店舗(九州)に直接出向くか、公式通販サイトで入手するしか方法はありません。私は博多阪急に出向いたときは、必ず立ち寄って買ってます。
定期便の「島本花便り」を試してみる
最近、あらゆるサービスでポピュラー化しているサブスクですが、私もソフトウェア、 Amazon をはじめいろいろ手を出しています。その中でも食品系は始めるときに、「もしマズかったら・・・」とためらうのですが、博多に行った時の「めんたいマヨネーズ」で味については確信があった、島本食品の花便りを試してみました。
1花便りの中味をチェック
実際に届けられた感じは写真の通りです。花便りの初回注文はどなたも同じものが届きます。価格は4,800円(税込)+送料680円と、内容次第ではかなりお得です。もし、ですが、明太子がハズレだったりすると即アウトですが、その可能性はあまりなさそう。
- オリジナル辛子明太子:100g
- イカめんたい:70g
- たかな辛子炒め:180g
- 梅ちりめん:40g
- いわしめんたい:2尾
- 味付けハラス明太風味:2枚
- ゆず巻羊羹:1個
むしろ、気になるのは「物量」ですね。とても上品なパックで届けられて、若い小僧を腹いっぱいにできるほどの物量はありません。四人家族の毎日の夕食に一品ずつ出して、二週間持たせられるかという感じです。
晩酌のつまみに一人、二人で食べるとしたら一週間ほどという感じでしょうか。いずれにせよ、上品に食べる構成になっていて、ファーストフードやファミレスのような感覚で扱うものではなさそうです。
私は、高齢の両親との夕食にもふるまうことにしました。なお、島本の『花便り』は、九州・博多の厳選したグルメを毎月届けてくれるサブスクサービスです。
2花便りの中味を堪能(「辛子明太子」「いかめんたい」「たかな辛子炒め」)
まずは手っ取り早く頂ける「辛子明太子」と「いかめんたい」です。ライトの感じでおいしそうに撮影できていない感じもしますが、味は絶品です。別日にそれぞれいただいております。
「イカめんたい」は言うまでもなく絶品です。創業当初からの商品らしく、イカの食感はプリプリ、明太子はツブツブのプチプチという感じです。
「辛子明太子」で、島本食品の定番です。博多店や博多阪急に立ち寄ること数あれば、直接ショップでも購入できます。
この明太子、辛くありません。この点は、辛さを期待している方は要注意です。口に入れるとシルクのような滑らかさで、細かい粒粒感が広がります。その粒を漏らさず食べようと、口から唾液がにじみ出てくるという感じでしょうか。スーパーで売られている低価格品とは別格の明太子だと即理解です。高級アイスクリームのような舌触りといいますか、舌触りがなめらかです。
お酒のつまみにするにはもったいないと思いますが、それなりのお酒とないいい感じかもしれません。酔わずにしっかり口の中を意識すると、お甘い魚卵の風味を感じます。ズルい調味料でごまかしていないのがいい感じです。
福岡瀬高の古漬高菜を油で炒め、唐辛子で辛みをつけた「たかな辛子炒め」です。
「たかな辛子炒め」は九州産が一番おいしいと思います。個人的には辛い物の方が「たかな辛子」という感じなのですが、島本食品の「たかな辛子炒め」は旨辛いというか、辛さよりうまみの方が引き立っていますね。辛すぎる「たかな辛子」なら、ラーメンにのせようと思いましたが、本商品は「イカめんたい」とセットにしてあったかご飯にのせて戴くのがマイベストです。「辛子明太子」とセットでご飯にのせてもおいしいです。
今回はベタにごはんに載せて食べましたが、薄味のパスタの具材にもいいと思います。
3花便りの中味を堪能(「いわしめんたい」「味付けハラス明太風味」)
博多名物らしい「いわしめんたい」です。国産マイワシのおなかに辛子明太子がたっぷり詰まった「いわしめんたい」。明太子の旨みをたっぷり含んだつけダレに漬け込んだまま冷凍パックで届きます。
まず、真ん中の骨を取り除いてから口に入れるのが幸せを感じるコツです。脂がのったハラミの部分はしっかり残っていて、中は辛子明太で古タンクになっています。イワシの一番美味しい脂の乗ったハラミは口の中でとろけます。
「味付けハラス明太風味」は、旬の時期に水揚げしたトラウトサーモンの腹身(ハラス)の部分だけを使い、島本秘伝の明太子のタレに漬け込んだものです。焼くだけ、というかあぶるだけで味わえます。
関東の濃い味になれている人は、ついつい醤油を足したくなるかもですが、しっかり噛めばピリッとした明太風味の辛みが口の中で広がりますので、味付け不要です。余計なことをせずに、身の厚みの中にしっかりと効いた秘伝のタレの味を楽しみます。
頒布会花便りはいわゆる食品のサブスクです。この手のサービスは他にもあるのですが、島本の頒布会花便りの特徴は、ざっと次の通りです。
- 九州・博多の食に限定
- 食選びの手間が皆無
- 量は並々(若造には少なめ、年配者には丁度よさそう)
- 単品で購入するより金額的にお得(約1割)
- 配送は冷凍便
花便りは税込4,800円で、内容の充実度を考えると、安いように思います。スーパーで同じような品目(多くは同等代替品)を選んで合計してみてもそれほど優位的な金額にならなかったので、半額商品を選んで構成して比べでもしない限り、高くはないと思います。
花便りは良心的で、試しにサブスクを初めてもお届け月の10日までなら、解約・変更ができます。解約は文字通りやめてしまうことですが、変更は住所変更や「今月はスキップ」などの小技が使えます。
(SHIMA_SUBS)
花便りはサブスク型の食品配送サービスですが、毎月送ってくれなくてもいいという人もいます。そのため、非公式ですが、「奇数月だけ送ってほしい」「7月、8月、9月以外は2か月おきに送ってほしい」みたいなイレギュラーの発送にも対応しています。先の三か月分のメニューを送ってくれるので、どの月をスキップするなどは早めに決定できます。
また、「12月は両親の住所に送ってほしい」「4月は東京のだれだれの住所にお願いします」なんてプチ変更が、配送月の10日までなら対応してもらえます(図は11月の例で、10日までに変更等の指定がないと、23日に通常通り配送されるということです)。
このプチ変更は意外と便利で、「12月は実家の両親宛て」みたいなことができるので、さらにお世話になった人に季節のあいさつとしても応用できます。便利です。
ちなみにいつでも解約可能です。縛りとかはないので、興味があったら試してみてください。
1日一品食べつくせば、1週間しか持たない量で、10代の若者だと朝・昼・晩で1日持たない量とも言えますが、そんな食べ方する商品ではありません。
5国産・輸入明太子の違いの基礎知識
ここからは、私が学んだ予備知識です。「島本食品の明太子」に限らず、いい明太子を販売しているショップを見つけるための指標にできます。不要な方は読み飛ばすか、無視しちゃってください。
明太子・たらこは国産の方がおいしいのが当たり前
国産たらこと輸入たらこ、獲れる場所は少々違えど、海は繋がっているのだから、漁獲される場所が距離的にも近ければ、大差はないと考えておりました。つまり、明太子の味の差は味付けの差に過ぎないと誤解しておりました。
しかし、調べてみますに国産とその他との違いは大きいです。魚そのものの違いというより、出荷までのプロセスが違います。
輸入ものと国産たらこの加工プロセスの違い
輸入もののたらこは以下のようなプロセスで出荷されます。
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というプロセスで、ここから新たに凍結して店舗などに搬送されますが、これが例えば北海道産の場合なら、
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のプロセスしかありません。「凍結」「搬入」「解凍」のプロセスがなくなります。
つまり、水揚げ後、卵を「生子」のまま一回も凍結せずそのまま塩加工(塩漬け)まで進みます。この違いが、国産たらこ・明太子がおいしくなる最大な理由だと思います。
この違いを、理屈で考えてみますと、輸入物のように、たらこにするまでの工程で冷凍と解凍を行うと、少々高度な技術を用いても「うまみ成分」の流出が生じます。
この「うまみ成分」を逃がさずに食卓まで運べば、余計な味調整は不要になります。チェーン店の回転ずしなどは、価格を抑えるため調味料で明太子の品質を隠す工夫がされています。
良い明太子は皮が薄くきめ細かい
スーパーの明太子を想像すると、明太子の皮は食べずに捨てたくなるものです。
先ほどのプロセスで流通している国産の明太子の中でも、良質のものは皮が薄くきめ細かくなっています。そのため、皮を食べるもなにもそれを意識せずに口の中で溶けてしまいます。また、明太子の粒が砂のように細かいので、皮でくるんで口に入れるほうが、食べるときに楽です。
良い明太子は辛くする必要はない
私がよくスーパーで買っていた明太子は、粒がザラザラパサパサしていて、味が薄いものだったので、「北海道・噴火湾産辛め」の味調整が絶対必要でした。辛すぎるくらいがちょうどよく、辛すぎればお茶漬けでいい感じになると思い込んでいました。
しかし、絹のようなとろける明太子には、辛い味付けは不要です。よく考えれば、なぜ辛くするのかということですが、これは素材のまずさを隠すための常套手段でしかありません。
スーパーの明太子に辛みをつけないと、魚卵の臭さが出てしまい、正直食欲が萎えます。でも、たとえば「北海道・噴火湾産」の明太子の場合、薄口(関西風味よりも薄口)の辛みつけで臭さが全くないということに驚きました。おいしいはずです。
- 料理用めんたい子でパスタやパンなど洋食に活用する
- 特定の月の頒布会花便りはお世話になった人宛に送る
- 関東に住む九州人にアピールする
島本食品の辛子明太子は、雑誌などにも取り上げられることがあり、ちょっとした食通には知られた店出したが、有名ネットショッピングモールには出品されておらず、手に入れるには店まで出向くか、公式サイトの通販を利用するしかありません。
基本的には「辛子明太子」が主力の商品ですが、サブスクの頒布会花便りを利用するともっと辛子明太子が楽しめます。よくある、いったん契約するとやめられない悪質なサブスクとは違い、いつでもやめることができるので、確約や特定月のスキップを活用すると、花便りをお中元などにも利用できます。
味的には、私も試してみて濃くはありませんが、関西系の人はもちろんおそらく関東の濃い口好みの人でも問題ないと思います。味が薄いという方がいたら、「たかな辛子炒めと混ぜて食べてみて」と通のアドバイスをしてあげると一目置かれるかもしれません。決して存分に醤油かけて食べてなど、調味料でごまかすようなアドバイスはダメですよ。
安く旅すること、デジタルモノを安く手に入れること、そして安くても使いこなすことをモットーにブログを書いています。典型的なデフレ対応型なんだなと自覚しつつ、日夜物欲と対峙し断捨離を心がけるも、うまくいかない毎日であります。