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Vegas Pro 17 でお手軽マルチカメラ編集のおさらい

前回に引き続きVegas Pro 17マルチカメラ編集の行い方です。繰り返しになりますがマルチカメラ撮影というのは、一つのシーンに複数台のカメラを配置して、異なるアングルを含め多角的に同時間を撮影することです。別の遠い場所に置いたカメラで別の場面をマルチカメラカメラ撮影というのもありですが、その場合は今回の作成方法が使えませんのでここでは割愛します。
今回はそのカメラの動画を一画面にまとめて、防犯カメラの管理画面のように作り上げます。だけでもできるということを示したいだけなので、一切難しいテクニックは使いません。

数分かからないマルチカメラ編集をやってみる

マルチカメラ撮影は、でき上った動画をまとめておかないと、ただのゴミファイルになることが多く、撮影してからできる限り期間を置かずに編集しないと、ただの無駄撮りになりがちです。
今回は、とにかくマルチカメラ動画をまとめることだけに主眼を置きます。

1同時間帯に複数台カメラで撮影した動画を用意する

プロ風の品質を期待するなら、ソニーのRX0のようなタイムコードが扱えるカメラを複数台用意するのが無難です。しかし、単に素人が楽しむマルチカメラ編集であれば、スマホや安物のアクションカメラ、型落ちの動画作成できるカメラをごちゃまぜにして撮影してもなんとかなります。

今回は、個人的に愛用してきた以下の型落ちカメラでテスト撮影してみます。

  • Sony DSC-HX50
  • Casio EX-FR100
  • GoPro Hero 7 Black
  • WIMIUS アクションカメラ

すべて型落ちで、価格も控えめなカメラです。録画モードは GoPro は 1920×1440 59.95fps、DSC-HX50は 1440×1080 29.9fps、WIMIUS と FR-100 は 1920×1080 30fps で揃えました。プロっぽくやりたいなら、できる限り同じ解像度、フレームレートでそろえた方が無難です。今回は、このような滅茶苦茶なソース動画でもなんとかなるということを確認したいので、GoPro の設定も無茶しています。
今回の方法を使うにあたって大切なのは、音声データをしっかり記録しておくことです。各画像をシンクロさせるときは、音声データを目安に行います。

2複数台カメラで撮影した動画を選んで、配置します


プロジェクトの解像度は、FHDあたりを目安に扱いやすいものを選んでください。上のカメラでまともな解像度になっているのは、GoProぐらいですが、それでも4Kには足りる設定にしていません。しかし、今回のような四分割するようなマルチカメラ演習の場合は、最終出力を4Kにむしても解像感は失われません。

撮影した動画ファイルを、Vegas のトラックリストに別々のトラックに加えます。ポイントは別々のトラックにするという点だけで、加え方はエクスプローラから直接トラックリストにドラッグしても構いません。

Vegas で mov (QuickTime)ファイルを扱う際の注意

QuickTimeプラグインを有効にする
今回の Casio EX-FR100 で出力される動画ファイルは、最近のWindowsでは非奨励の mov (QuickTime) 形式です。Vegas 17 ではデフォルトでは QuickTime 形式を拒否してしまいますので、以下の設定をしておきます。QuickTime 形式を扱わない場合は、気にする必要はありません。

3同期させたいイベントを選択します

トラック上に配置した動画ファイルには、同一時間帯の別アングルシーンが含まれているとして、の前提でこれらのオーディオトラックを、次のステップでイベントに同期させます。

同期させたいイベントを選択します。今回はどれか一つのトラックをクリックして、CTRL + A で全無選択してしまうと楽です。同期させたいトラックデータをマウスでドラッグ、シフトキーを押しながらクリックなどを使って選択しても問題ありません。


メニューで[ツール] > [マルチカメラ] > [オーディオを整列イベントに同期する]を選択します。
よくわからない日本語ですが、早い話がオーディオデータをベースにして、選択した動画を同期するということです。
一番上のイベント(ブロック)の下位にあるイベント(ブロック)が前後に移動することで同期されます。

この作業は、選択したイベント(ブロック)の音声データを分析して、類似波形を探し出し、一番上位のトラックに波形が重なるように、映像トラックを含めて位置調整を行います。音声データは全体に対して解析が入るので、長い録音の場合は少々時間がかかります。
Vegas プログレスバー

長めの動画の場合は、このコマンド実行時間が最も時間を要する作業になります。コマンドを実行して、解析が終わるまでに数分以上必要なこともありますので、むここは我慢しましょう。5分程度の動画であれば、それほど時間はかかりません。

4同期したファイルを、少しだけ整理する

必ずしも必要な作業ではありませんが、間違いを避けるために、同期したいすべてのファイルの頭とお尻を揃えます。


他の動画を重ねたりする場合は、この作業は行わなくても問題ないのですが、説明のためにわかりやすくカットしておきます。

54つの動画を画面の各隅に割り当てる

現在の段階では、例の4つのファイルはシンクロできているのですが、一番上のトラック(レイヤー)の動画しか映らない配置になってしまっています。そこで、画面を4等分して、それぞれのトラックがそれぞれ画面の一角を占有するように調整します。

各動画トラックの「イベント・パン・クロップ」をクリックして調整していきます。この作業は各トラックについて行います。本例では4つの動画を均等に隅に配置していますが、応用して均等を崩して配置することも可能です。また四角以外の切り抜きをすることも可能です。
Vegas クロップ
作業を始める前に、タイムラインが0の位置にカーソルあることを確認します。あと、必要なツールバーのオン・オフもチェックしておきます。
動画と図のフレームが面積比で1:3になるように大きさを調整します。ガイドを利用すると簡単です。
Vegas クロップ移動
次に、トラックの動画を再生させたい四隅の位置に移動させます。この作業を4つの動画で隅の位置が重ならないように、各トラックごとに行います。

6レンダリングしてしまいましょう

レンダリングして、動画を確認しましょう。

メニューから「名前を付けてレンダリング」を選びレンダリングを行います。
Vegas レンダリングVegas レンダリング設定
レンダリング設定は好みのもので構わないと思いますが、今回のサンプル程度であれば Sony AVC あたりのインターネット 1280×720 30p で十分です。高画質を試したい方は、さらに高級なレンダリング設定を行うこともできます。

7応用するには

今回紹介したマルチカメラ編集は基本機能しか使っていないので、その日にぶっつけ本番でもできてしまう程度のものですが、少しアンバランスに画面割をするだけでも、映画っぽく見せることもできます。ただ、記録用としては防犯カメラ的な編集が一番わかりやすいのも事実です。この点を踏まえた上で、誰でもできる即席編集としては、

  • 要らないトラックにはフィルタをかける
  • 見せてたくないカットは画面を拡大もしくは縮小する
  • 飾り的に欲しい画面は、わざと安物のカメラを使う

動物をマルチカメラで撮影した場合など、カワイイ顔が写っている一方、もう一方のカメラではお尻を捉えていて、これを均等に画面配置してしまうと全体として汚くなってしまうことがあります。この際、フレームの大きさを変えて顔のアップに注視させる方法もありますが、初心者がマスターするには、少し時間がかかります。そこで手っ取り早いのは、要らないシーンだけにフィルタをかけて、見えにくくする方法です。モザイクのような面倒なことをせずとも、コントラストを下げる程度でも十分効果があります。
少し応用すると、フィルタをかけつつ、見せたくないカットの時だけ動画を縮小するというテクニック、あるいは拡大して画面を分かりにくくするという方法もあります。さらに、安物のカメラをわざと使って、ほぼ不要なアングルのトラック、ただの活気づけのためのトラックには質の悪い動画を配置するのも有効です。

オープニング画面などでは、ある程度の演出があった方が楽しいですが、じっくり観察的に楽しむなら、今回の何の変哲もない画面は相当楽しめますので、ぜひ試してください。

マルチカメラ撮影を行うときは、いざというときは、手持ちのスマホで足りることは確かですが、撮影中にSNSの通知が入ったりすると使えなくなりますので、真面目に取り込みたい人はGoProに代表される小型カメラがお勧めです。ネコやイヌ、鳥あたりはマルチカメラで比較的狙いやすいので、面白く撮影できます。


Vegasが便利なのは、マルチカメラ撮影を狙っていない場合でも、目的のシーンが撮影された誰かのスマホの動画データともシンクロさせられるところです。よくあるのは、コンサートや何らかのイベントを、家族や恋人、友人が撮影した動画と、自分が撮影した動画を後から一つの動画にまとめて出力できる点だと思います。音声さえ録音できていれば、各人の目線で、どうそのシーンをとらえたのかが見えるので、やってみると面白いものができます。