一万円しないプロ向け映像製作ソフトVegas Pro 17の、誰でも即日結果の出せる即席使用法の後編です。「これだけ覚える「Vegas Pro 17」使い方の基本(前編)」の方も併せて参照ください。
1[おさらい] 動画編集の一般的な流れ
映像製作ソフトを使用する場合、基本的な作業の流れは下記のようになります。
- 動画を選ぶ
- 使う動画をトリミング
- 使う動画ファイルをタイムラインに配置
- トランジションやエフェクトを適用
- 見やすい再生速度に調整
- BGMや効果音を入れる
- 動画にタイトルやテロップを入れる
- 画面の不要部分を切り取る(クロップ)
- 動画ファイルとして書き出す(レンダリング)
前回のVegasで始める初心者動画編集の後半です。前半がしっかりできていれば、後半は適当でも内容そのものに大した影響を与えません。映像の出来栄えにこだわる人向けの作業になります。言い換えれば、プロっぽいことができるのが後半の作業です(プロはもちろん後半の作業に魂を込めます)。
2Vegas Pro 17 でトランジションやエフェクトを適用する
Vegas には豊富なトランジションやエフェクトが標準装備されています。エフェクトは多用すると見づらい動画になるので、控えめにするのが無難です。初心者の時は、エフェクトが楽しすぎてついつい多用しがちですので、注意しましょう。一方、動画ファイルをつなぎ合わせるときの、つなぎ目を演出する効果「トランジション」は積極的に使いましょう。場面転換などで使うとシーンが変わったことがはっきりするだけでなく、見やすくなります。
Vegas のトランジションとビデオFXのサムネイルはアニメーション表示されるのが優しくて、初心者でもこのトランジョンを使うとどんな感じになるのかあらかじめ想像できるようになっています。それぞれパラメーターを変更して、効果の微調整することができます。プロはこのパラメーターいじりれてこそということになりますが、初心者の方ならデフォルトのままでまず試すといいと思います。パラメーターは後から変更可能です。
トランジションを適用するには「トランジション」エリアから目的のトランジションを選び、そのサムネイルをドラッグして動画と動画の間にドラッグします。ドロップできる位置までドラッグすると、下の図の(2)のようなカーソルに変化します。動画の間から少しでもずれると、カーソルの形が変化しませんので、位置を微調整してください。
- 「トランジション」タブをクリックします
- 目的のトランジションのサムネイルをドラッグして、動画と動画の間にドロップする
- 必要ならばパラメーターを調整する(任意)
できあがりは、プレビューウィンドウでトランジションの効果を確認できます。
エフェクトも同様で上図の(1)の横のタブにある「ビデオFX」タブでエフェクトを表示させ、サムネイルをドラッグしてタイムライン上の動画の上にドロップするだけで適用できます。
3Vegas Pro 17 で再生速度を調整する
だらだらと単調な動画を見せられるほど、退屈なことはありません。撮影者にとっては意味のある映像でも、そうでない人もいるということに注意を払うと、より魅力的な動画に仕上げることができます。Vegas に標準搭載されているタイムストレッチ(動画の再生速度の変更)で、単調なシーンは早送りで、意味のあるシーンはスローモーション再生して、動きにメリハリをつけましょう。
シーンによっては逆再生するものポイントです。
Vegasではスロー再生や早送り再生を、タイムラインで「Ctrl」キーを押しながら、動画の両端をドラッグすれば、動画の尺を引き延ばしや高速再生が可能になります(タイムストレッチ)。(プロパティ -> 動画 -> イベント -> 再生レートでも変更可能)
逆再生をさせたいときは、タイムラインで動画を右クリックすると表示されるメニューから「逆方向」を選ぶことで可能です。割れた花瓶を元に戻すようなシーンを作りたいときは、迷わず活用しましょう。
4Vegas Pro 17 で画面を切り取る(クロップ)する
例えば、GoProのような広角カメラで撮影した動画の一部だけをズームして使いたいことがよくあります。その場合は、「クロップ」機能を使用します。初期状態では現在のフレームを示す点線が外枠と重なっているので、適当なサイズに点線の枠を縮小して、その枠を切り出したい部分に移動するだけです。「閉じる」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じて完了です。
- タイムラインの動画の右上のアイコン図の(1)をクリックします。
- 「ビデオ イベントFX」ウィンドウが開くので、図の(2)点線の枠を適当なサイズに(拡大・)縮小する
- 縮小した点線の枠を、切り出したい映像部分に移動する
- 「閉じる」ボタンでウィンドウを閉じる
5Vegas Pro 17 でタイトルやテロップを入れる
自撮り撮影や、カメラに向かって話し続けるような動画でない場合(ナレーションが無い場合)は、動画を分かりやすくするためにタイトルやテロップを入れるようにします。
最初に動画トラックを1つ追加します。タイムライン左端の「トラックヘッダー」で右クリック、表示されるメニューから「ビデオ トラックの挿入」を選びます。そして「メディア ジェネレータ」タブの「タイトルおよびテキスト」から、プリセットのタイトルを1つ選んでタイムラインに追加します。
プリセットのタイトルをタイムラインにドロップすると、「ビデオ メディア ジェネレータ」が開かれます。このウィンドウのテキスト欄に任意の文字列を入力するだけで完了です。
6Vegas Pro 17 でBGMを加える
BGM の挿入で注意すべきは著作権関係です。著作権フリーで無償で利用できるオーディオファイルを利用すれば、YouTubeなどに一般公開しても問題ありません。
BGMをうるさく入れすぎて失敗している動画が氾濫していますので、お手本にしないように注意してください。BGMを聴かせたい動画などではない限り、取ろうと動画編集ではBGMはオマケです(逆にプロにとっては必ずこだわる点です)。
初心者のうちは、どのBGMを選ぶかより、BGMが邪魔していないかにこだわる方が重要です。
また、効果音を挿入すると、動画の質が一気に上がりますが、入れるタイミングを間違えると台無しにしてしまうというシロモノですので、最大限の注意を払ってください。効果音にもBGMも、動画にシンクロできているかどうかが最大のコツになります。
BGMや効果音をトラックに配置する
ビデオトラックと同じように「トラックヘッダー」からオーディオトラックを挿入したら、「エクスプローラ」タブからオーディオファイルをタイムラインにドラッグ&ドロップします。動画の尺に合わせてオーディオを短くできますので、タイムラインでオーディオファイルの右端をつかんで長さを合わせます。オーディオファイルの右上まだカーソルを動かし、扇形のアイコンと「フェードアウト オフセット」という文字が表示されたら、アイコンをそのまま左側に少しドラッグします。これで曲線の開始位置から、オーディオがフェードアウトするように設定されます。フェードアウトの目安は1~2秒ぐらいの間隔がオススメです。
7Vegas Pro 17 から動画として書き出す(レンダリングする)
最後の作業である動画の書き出しになります。メニューの「ファイル」から「名前を付けてレンダリング」を選ぶと、保存場所、ファイル名、出力形式を選ぶウィンドウが表示されます。YouTubeなどに動画をアップするのであれば、「Sony AVC/MVC」の中の「インターネット 1920×1080 - 30p」を選択するのがおススメです。そして「レンダリング」をクリックすれば、書き出し(レンダリング)が始まります。これで全ての作業は終了です。
- 「ファイル」メニューから「名前を付けてレンダリング」を選択
- 保存するフォルダ、ファイル名、出力形式を選んだら、「レンダリング」をクリックする
安く旅すること、デジタルモノを安く手に入れること、そして安くても使いこなすことをモットーにブログを書いています。典型的なデフレ対応型なんだなと自覚しつつ、日夜物欲と対峙し断捨離を心がけるも、うまくいかない毎日であります。