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Westone ウェストン B50 を聴いてみる!

少し高級な、イヤホンの紹介です。米国コロラド州コロラドスプリングスに本社がある、イヤホンと補聴器で有名な米国メーカー、Westone(ウェストン)のユニバーサルイヤホン Bシリーズ(B30とB50)です。

B50 と B30 は 暖かく繊細な2019年モデルの W30、W50 をベースに、よりアグレッシブかつ迫力のある音質を狙ってチューニングされ、迫力の低域が加わった低域重視のモデルです。イヤホン・ブランドメーカーらしく、付属品は豪華で純正Bluetooth MMCXケーブルも付属しています。有線だけでなく無線にも対応しているので、ジムで汗を流しながら高音質を楽しむといった使い方も当然できます。もちろん、濡れても大丈夫な日常生活防水です。

1Wシリーズや他のイヤホンの違い

ウェストン ユニバーサルイヤホン の主要スペック

B50B30W80 2019W60 2019W40 2019
ドライバ数5基3基8基6基4基
高域21422
中域21221
低域11221
入力感度118dB SPL @ 1mW107 dB SPL @ 1mW111 dB SPL @ 1mW117 dB SPL @ 1mW118 dB SPL @ 1mW
周波数10Hz - 20000Hz15Hz - 18000Hz5Hz - 22000Hz10Hz - 20000Hz10Hz - 18000Hz
インピーダンス25Ω25Ω25Ω25Ω31Ω
参考価格65,000円前後48,000円前後180,000円前後110,000円前後50,000円前後
B50B30W80 2019W60 2019W40 2019

上級モデルか標準モデルかの判断は、ドライバの数でおおよそ判断できます(もちろん品質の良いドライバという意味です)。上級モデルほど高域に投資するのは、どのメーカーも同じです。一方、低域にもドライバを複数駆使する必要があるかと言えば、高域に4つもドライバを搭載している W80 ならともかく、通常は10万円クラスのイヤホンでも1つあれば十分です。このスペック表を見るとW60はちょっと贅沢ですね。今回はWシリーズは比較のために登場させているだけで、主眼は B50 が W60 に迫ることができるかという点に注目しています。

ウェストンのBシリーズは、なんと言っても低音へのこだわりです。低音のこだわりが無い場合は、Wとリーズの方が気持ちいいかもしれません。販売価格が17万円超えのW80、10万円超えのW60と比較しても、B50 がその半額クラスの音にはまったく聞こえないのがポイントです。それもこれも、低音のドライビングが丁寧かつ緻密だからといえます。

低価格イヤホンとの低音の違い

一般の安物のヘッドフォンやイヤホンに、低音を足して音をごまかすのはよくやる手口です。そういったイヤホンは、低音を下げて、あるいはイコライザーでレベルを落として聴くと、正味の中域から高域にかけての品質がもろに表れます。
本製品もその仲間入りだろうと思いきや、そうでも無い。中域から高域のごまかしがありません。高域と中域のドライバはそれぞれ2個ずつですので(低域は一つだけ)、低域だよりの低価格版イヤホンとはやはり一線を画していると思います。

B50 パワー感

具体的には、低域の中に埋もれるボーカルをしっかり聴かせてくれます。低域プラス女性ボーカルが聴きやすいのは、この価格帯のイヤホンだと常識ですが、男性ボーカル、鈴木雅之や玉置浩二がシプく聴こえるのも特徴的です。高音がウザく感じる若者でも、ここまで低音とマッチすると受け入れやすいはず。

Wシリーズとの低音の違い

同社の W40 と比べると、低域に活力があり、しかも暖かく感じます。おそらく、低域ながら解像しているからだと思うのですが、ベース楽器の豊かに表現できているようです。具体例で言えば、ビートルズの「カム・トゥゲザー」の導入部を聴いてみると、ベースラインが膨らみ、よりベースらしさが表現できています。低音を好む人にはうれしい仕上がりです。逆を言えば、アコースティック楽器の色づけされてないニュートラルでな表現が好きな人は、Wシリーズの方がオススメです。ポップサウンドなどはこの仕上げのおかけで、ベースやドラムにパンがきいた音で、よりそれらしく聴こえます。
B50 音質感

一方、クラシック特に室内楽だと、低音のメリットはあまりなさそうで、素の高域の実力が出てきます。それでも、同メーカーのW60より繊細に音が出るので、価格的にもB50の方がお買い得感は高いです。(ただし、W60の方がより原音に忠実という意見もあり)

B30については?

B30についても少し述べますと、始めにB50で試聴してしまうと、B30には興味を失ってしまいます。価格差が2万円ほどで、この差を大きいとみるか、小さいとするかによりますが、音質の差は歴然です。B30の音質そのものは良好ですが、B50の全体的な迫力には及んでいません。ボーカル中心の音楽(POPなど)を聴くのであれば、B30の方が疲れないともいえるので、ここは個人の価値観が出そうです。疲れようが、迫力感満タンでロックしたいという方は、B50 で良いと思います。
また、W40と価格帯が同じで、ドライバの数でも、スペック表の数値でもW40の方がB30より勝っているような印象を持ちますが、実際に試聴すると、B30の方がバランスが良いです。低音が必要の無い音楽なら W40 の方が良いともいえそうですが、トータルのバランスは B30の方が幅広い音楽ジャンルに対応できるチューニングです。ただし、クラシックの弦楽器をしっかり聴きたいような場合は、W40 の方が確かにキレイに音が出ます。B30のケーブルを変えると、おそらくもう少し高域が良くなると思うので、この場合でも使い方次第では B30でもなんとかなるかもしれません。どちらにせよ、音の良さの違いというより、音の色づけ感の違いが強く出ますので、最終的には聴く音楽次第という事でしょうか。

Westone ウェストン B50

2有線と無線接続でのでの音質は?


この手の高音質を売りにしたヘッドフォンは、無線だけにしか対応していないと物足りないのですが、本製品は当然に有線対応になっています。というのも、ほとんどのケースの場合、有線の方が高音質になります。百歩譲って同音質であったとしても、無線による外部電波の影響は無視できないため、実力は有線接続で発揮されるといえます。

bluetooth 付属ケーブルの品質

Westone ウェストン B50
本製品の bluetooth は、aptX HD には対応していません(aptX には対応)。そのため、48kHz/24bit の音源、ハイレゾ音源は bluetooth ではその最大解像感が味わえませんので、有線接続する必要があります。一応、24bitサウンド音源をお持ちでない場合などは、aptX でも問題なさそうです。
bluetooth 本体自体は、最大8時間連続再生可能なバッテリーを搭載し、見通しは10m、IPX4準拠の防沫対応という仕様です。MMCX端子を採用しているので、Westone のみならず、他社の様々な対応イヤホンでリケーブルすることが可能です。
意見は色々あるようですが、個人的な意見を単刀直入に正直に言いますと、付属の Bluetooth ケーブル での音質はイマイチです。利便性は最高ですが、本イヤホンの能力を存分に引き出しているかと言えば、少しもの足らなく感じます。ただし、本来オプションで1万円超え(定価は19,800円)のケーブルですので、オマケというような安物ではありません。
Westone ウェストン B50
このクラスのイヤホンをゲットして、Bluetooth でしか聴かないという人は少ないと思いますので、本質的な問題ではないのかもしれませんが、高音が不足するので、まさに何かしながら、フィトネスしながら楽しむという用途なら気になることもないと思います。こだわる人はリケーブル(元から付いているケーブルを取り外して別のケーブルに取り替えること)を考えた方がいいでしょう。
付属ケーブルそのものは、細くて軽いので使い回しなどは良好で秀逸です。

3価格は適切なの?

現在、B50 は 64,584円、B30 は 47,800円と、金額だけ見るとイヤホンとしては少しためらう金額です。しかし、今年の5月時点では8万円台と5万円台だったことを覚えている方は、B50 の方は買いやすくなったかなと思う人もいるはずです。

少しでも安く買う方法

毎回ベタな方法ですが、アマゾンのタイムセールを狙うのが最も簡単です。B50 はタイムセールにあまり出品されず、一度70,000円ほどで出されたことがあるのですが、現在価格の64,584円の方がお得です。できれば6万円を切ってくれる(現在6,481円OFFクーポンが出ていますので、5万円台で購入可能です。)と、ホントに手を出しやすくなるのですが、実力的にはW60に遜色なく、聴く音楽次第では B50 の方が美しく聴けるので、金銭的に余裕のある方は狙ってみると良いと思います。
一方、価格が安定している B30 ですが、これまで何度かタイムセールに出品されています。タイムセール価格で42,000~44,000 あたりが相場です。45,000円以下なら、B50との価格差も広がり、価格的にはお買い得感が出てきます。B30 と W40 で悩む人は、B50 にしておけば、両方の良いところ取りができます。どちらにせよ、わずかな出費で値段以上の高音質が手に入る B50 と最後まで悩んでみてください。決断ができない人は、試聴するしかありません。聴いてみて自分が良ければ、それがベストです。